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現代文の教材に出て来るのですが,読書はゆっくり読まないとせっかく書いてある大切なことを見逃す危険性があるのです。

ウチの塾の特別講座などの対面授業は,ゆっくりやっています。
かつての人気予備校講師もそうですし,テレビでペラペラ饒舌にしゃべる芸能人はたいていテンポよく早口です。
「タイパ」という言葉が流行するわけですから,今の中高生は短い時間で済ませることを「よし」としがちですね。
これが現代という時代の最大の勘違いでしょう。
ずーっと思っているのですが,今の文明の利器を駆使すれば,我々が中高生だったころの何倍も効率よく大量に学習できます。
なのに,肝心の学力が我々より何倍も高いかというと,そうでもない。
紙の辞書を使って,ノートに鉛筆(シャーペン)で書き込んでいた時代の方が,ちゃんと学力がついていたように思います。
紙の辞書を使う方が,電子辞書よりも時間がかかります。
手書きよりもタブレットやスマホにサクサクと入力できる人も多いでしょう。
時間を短縮していることが,実は学力の低下につながっているのです。
何事も時間をかけた分だけ身に付くという話です。
今日の浪人生の授業でmaneuvreという単語が出てきました。
電子辞書だと,このスペルを1回入力するとその単語に行きつきます。
紙の辞書だとどうでしょう?
このスペルを何度も何度も頭の中でくりかえしながら紙をめくりませんか?
m a n でmanと書いてあるページに行き,
m a n u までに manage
Manchester mandate man-eater と目にしながらmaneuverを見つけます。
何なら行き過ぎてmanifest や manipulate , manufactureの単語を目にすることもあるでしょう。
そこでも1秒でいいので目を止めて意味を確認するとかすれば,語彙力がどんどん増えていきます。
さがすのに時間をかければかけるほど,maneuverというスペルは頭の中に定着し,忘れにくくなります。
同時に,その前後の似たスペルの単語も確認できます。
maneuverはうまく操るという意味なのですがmanipulateも操るという意味です。
manに手の意味があって,語源的に似たスペルの単語はつながっていることも多いわけです。
実際,manageも馬を手でうまく操作することが語源で,なんとかうまくやるという意味になってきます。
こうやって,1つの単語を時間をかけてゆっくりと調べることで,語彙力がついていきます。
電子辞書のボタン1回押すのとでは,築き上げる学力が変わってくると思いませんか?
手で書くのも時間がかかるからいいのです。
時間がかかる分だけ長時間その内容が頭のなかをくり返し駆け巡るのです。
一番危険なのが,タブレットに記録して,それで覚えた気になってしまうこと。
それって,覚えているのは君のタブレットであって,君の脳には入ってないですよね?
まだ,タブレットに1回入力するにしても,最低1回はその内容が頭を通過しますからマシかも。
最悪なのは,写真をパシャリと撮って記録するだけの人。
その内容が頭の中に一度も入っていませんよ。
ウチの塾の授業は,生徒に演習してもらっていますが,ゆっくりやってもらって大丈夫です。
何度も頭の中に通して,脳を上等なものにしていってください。
講義もゆっくりしたテンポですから,ゆっくり考えながら聞いてください。
そして,復習をしてください。
何度も何度も頭の中を通過させることで脳が賢くなっていくのです。
一つ毒を吐いておくと,タイパなのかどうか知りませんが映画を倍速で見るとかいう現代人が多いようです。
予備校の映像授業も倍速で見る人がいるそうです。
1時間に1コマ見るのが標準速度なら倍速だと1時間に2コマ見られるので2倍賢くなるとでも思っているのでしょう。
ゆっくり考える時間も加味して講師はしゃべっています。
その脳が賢くなる時間をカットして2コマ見たところで意味ないのですよ。
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