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TOP塾長ブログ受験心理学

2014年10月29日 水曜日 受験心理学     ( 塾長ブログ )

防災心理学というのは受験の業界にも共通する面がある。
考えてみればあたりまえで,人間の心理なのだから,防災であろうが何であろうが同じなのだ。
山村武彦氏の著書を読むと防災心理がよくわかる。
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いくつか引用させていただくと,
1.人は自分にとって不都合な情報を無視する
2.人間には「自分だけは大丈夫」と期待する本能がある
3.実は人は逃げない
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この「人」は生徒や保護者と言い換えてもよいのだ。
3の言い換えは「実は生徒はいつまでも勉強しない」みたいな(笑)
笑い事ちゃう?

認知心理学では「多数派(集団)同調バイアス」と「正常性バイアス」というのがあって,まさにそれ。
公立中学校などにいると,まわりの生徒は皆のんびりしている。
中3の夏まで普通に部活をやって,あとは学校の先生の指導に従って私立高校と公立高校が割り振られていく。
それで,誰も困っていない。
それが日常であり普通のことだから。
でも,もしも本当は国公立大学へ行って研究者になりたいと思っている生徒がいたらどうだろう。
現状の公立中学校の指導ではとてもたどりつけない。
運悪く拘束時間の長い部活に入ってしまったが最後,国公立大学への道はほぼ絶望的だ。
ここで,「いや,卒業生の○○クンは部活もキャプテンで,高校はトップ校に進学し,今は現役で国立大に通ってますから,部活をやっていて勉強に不利ってことはないのです」と部活の顧問大先生はおっしゃるのだ。
それが1.の不都合な情報を無視して,都合のよい情報だけを信じてしまう心理によって多くの犠牲者を生むことになる。
そんなレアケースの優秀な生徒さんに,自分あるいは自分の子があてはまる確率って何%なのか,冷静に考えればわかりそうなものだが。
そう,2.自分だけは大丈夫なのだ。
そして,3.いつまでも勉強をはじめない(笑)

仮に,その優秀だった生徒さんが100の勉強をやって合格したとする。
現状の学力はおそらくその生徒さんよりも低いはずなのに,部活をやりながらその生徒さんよりたくさん勉強するはずがない。
実際のところは半分の50もやっていない。
せいぜい20くらいではないか?(当塾調べ)
結局,中3になってから「手遅れ」に気づく。

「なぁーに,高校に入ってから挽回すればいいじゃないか」となるが,いつも書くように,高校以後の逆転は想像以上に少ないのだ。
そんな甘いものではない。

山村氏の本には,他に
・専門家が「大丈夫」と言っても、危険を感じたら逃げる
・「避難所に必ず非難する」は間違い
などが書かれている。

専門家は学校の先生や塾の先生ということになろうか。
特に公立中学の先生は専門家などではなく,お役所仕事をする公務員が本質であることを忘れてはならない。
役所でも大雨が降るときに避難所を設定して避難指示などを出さなければ責任を問われるからやっているだけであって,実際に防災の「専門家」が指示しているわけではなかろう。
同様に,学校では進路指導をせずにどの高校にも入れない生徒が出たら責任を問われるので,全員が高校へ入れるように仕事をしているのだ。
高校に100%入れることだけが仕事であって,その子の将来につながるかどうかは関係ない。
さらに,塾になるともっとえげつない。
優秀な生徒には,私立高校の実績もかせいでもらいつつ,トップ校がねらえそうならとにかく数撃てば当たるかもしれないので受験してもらう。
これは私立の学校でも同じようなことが言える。
実際に「合格可能性の高い生徒」のことを「実弾」と呼んでいた先生がいる。
欲しいのは,合格実績で,その実績を餌にして新規塾生を呼び込むのが目的なのだ。

そういう「専門家」たちがここへ避難すればよいと指示したところへ何も考えずに行くと,助かる命も助からない場合がありそうだ。

きっと,山村氏の本の内容をそのままパクったら,それだけで立派な受験心理学の本が書けると思う。




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